公益財団法人 がんの子どもを守る会
理事長 山下公輔
公益財団法人 がんの子どもを守る会は、1960年代初めに小児がんで子を亡くした二人の父親が分かち合った「小児がんが治る病気になって欲しい」、そして「小児がんの子どもを持つ家族が、自分達と同じような苦しみを味わうことのない世の中をつくりたい」、この二つの思いの実現をミッションとして、1968年(昭和43年)に小児がん親の会として設立されました。設立時に、創設者二人の思いに共感された篤志の方の大きなご支援を受ける事ができ、経済的基盤のある財団法人として発足、その後の法改正に伴い公益財団法人に改組し、社会的責任を持つ非営利の民間組織として現在に至っております。
設立直後は「小児がんの子どもを持つ家族からの相談」、「小児がん治療への研究助成」、「家族への療養援助」の三つを柱とし、子どもにがんがあるという事実を社会に発信する活動なども含め事業を開始いたしましたが、これまでの半世紀を越える歴史の過程で、小児がんや難病の子どもとその家族のための「宿泊機能を持つ総合支援施設・ペアレンツハウスの運営」、医療の進歩により小児がんの多くが“治る”病気となりつつあるという環境変化に沿った「小児がん経験者支援」及び「小児がん経験者・がん遺児奨学金の運営」、更には「国際協力活動」等々を加え、幅広い事業活動を持続的に展開し現在に至っております。
組織体制は、東京の本部に加え設立後の早い時期に開設を進めました各地の支部のほか、2011年にはペアレンツハウス大阪の開設に伴い大阪事務所を開設、現在は東京の本部を中心に、大阪事務所と全国21支部のネットワークによる体制で事業を進めております。
これら事業活動等の詳細につきましては、毎年発行しております事業報告書と事業計画をご高覧頂ければ幸いです。
冒頭に述べましたように、当会は設立時に頂戴した民間の篤志の方のご支援に支えられ活動を始めることが出来ましたが、その後も現在に至るまでの事業活動は全て、民間の企業・団体・個人の皆様のご寄付によって支えられてきております。私たちは、数少ない公益財団法人格を持つ患者・家族団体としての自負を持ち、小児がん医療に携わる医療界の皆様のご支援も受けながら、今後とも小児がんの患児・家族に寄り添った支援と小児がんに関わる諸課題の解決に向けた活動を続けて参ります。
皆様のこれまでのご厚情への感謝と共に、引き続きのご支援を心からお願い申し上げます。